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認知症について考えます②

軽度認知障害(MCI)は認知症予備軍

軽度認知障害(MCI)とは、認知症の一歩手前と言われる状態(予備軍)で

記憶障害が出始めるけれども、症状はまだ軽く認知症ではないため

自立した生活を送ることができる状態のことをいいます。

症状が軽いからこそ、自分自身や家族が気付きづらいのですが、

この段階で発見し適切なケアを行うことで症状が回復したり

認知症の発症を遅らせられる可能性があります。

<参照>

厚生労働省「第115回社会保障審議会介護給付費分科会資料」認知症施策の現状について


MCIの段階でのケアが非常に重要です!

MCIを放置することで認知機能がどんどん低下してしまいます。

MCIの方で年平均10%、5年目には約40%の人が認知症を発症するといわれています。

ですので、早めにMCIは気付き、対策を行うことが重要なのです!


MCIはどのように診断される?

なにかおかしいな?と思った場合は、まずは病院の『もの忘れ外来』などを

受診するといいと思います。

医療機関ではMCIや認知症かどうかの診断をするために

面接や神経心理テスト(長谷川式簡易知能評価スケールやMMSEなど)

画像診断などの検査を行います。

MCIと診断された後26%の方が健常者へと回復することがわかっておりますので

早めの受診をおすすめします。

認知症を予防する

多くの方はMCIと診断されるとショックを受けます。

周りの方も冷静に受け止め、希望を持ってケアに励むことが大切です。


介護期間の平均は約5年ですが、認知症介護は約8年と長期にわたります

また、専門施設グループホームへは、要支援2以上であれば誰でも入所できますが

特別養護老人ホーム(特養)へは要介護3以上からで、入居も早いもの順ではなく

介護環境が整っている方は入居できないケースもあります。

独自の試算ですが、国の介護保険の支給を受けても認知症になると

在宅介護の場合380万円~1180万円程度

施設介護の場合700万円~1730万円程度

将来的に持ち出しがでる可能性があります。

あまり考えたくないことですが、介護状態になるとこれだけ費用がかかるのです。


ですので、介護状態にならないよう、いまから予防をしていきましょう!

最後に運動・食事・脳のトレーニングによる予防法を記載しておきます。

予防①運動の習慣をつける

手足の筋肉を動かすための神経は脳と結ばれているため、運動により脳が活性化します。

有酸素運動がおすすめ

『ウォーキング』『サイクリング』『水中運動』

人とおしゃべりができる程度の速さで続けると全身の血流がよくなります。

1日30分、週3~4回行いましょう!

予防②食事を改善する和食が予防に!

肉や卵などのたんぱく質が豊富な西洋風の食事⇒日本の伝統的な食事

にすることで認知症予防になるといわれております。

『DHA、EPAが豊富な魚介類』

※イワシ、アジ、サバなどの青魚やサケに豊富に含まれるDHA、EPA(n-3系)の脂肪は脳の情報伝達をスムーズにします。

『緑黄色野菜、果物』

※野菜、果物にはビタミンC、E、ポリフェノール類などの抗酸化物質が豊富に含まれていて、認知症の発症リスクを軽減すると考えられています。

予防③脳トレ

本を読む、旅行をする、トランプ、麻雀、ギターを弾くなど知的活動を行うほど認知症のリスクが軽減するという報告があります。

デュアルタスクで脳の活性化

近年注目されているのが2つの異なることを同時に行う(デュアルタスク)

ことで脳を活性化させることができます。

※例えば・・・

ラジオ体操をしながらしりとり3歩進むごとに頭のなかでは100から3を順番に引いていくetc.

また、手順を考えたり、手を動かし続ける料理なども脳の活性化に繋がります。

予防④グループ交流活動

認知症予防のための取り組みは根気も必要です。

ひとりだと諦めてしまうことも、一緒に頑張る仲間がいると長続きします。

『認知症カフェ』などでも脳のトレーニングなどが行われております。

施設を探したいときは、各地域の地域包括支援センターに相談しましょう。

認知症サポーター

新オレンジプランとは

厚生労働省では段階の世代が75歳以上となる2025年を見据えて

認知症の人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で

自分らしく暮らし続けることができる社会の実現を目指すことを目的に

新たに『認知症施策推進総合戦略~認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて~』

を関係省庁と共同で策定されました。※平成27年1月27日

<参照>

厚生労働省『認知症施策推進総合戦略~認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて~』

新オレンジプランでは7つの柱がありますが、詳しくは厚生労働省のHPをどうぞ。 ここでは、その中の主な施策の認知症サポーターについて説明します。

 

認知症サポーター

特定非営利活動法人「地域ケア政策ネットワーク全国キャラバンメイト連絡協議会」が実施する「認知症サポーターキャラバン事業」における養成講座を受講・修了した者を称する肩書きです。

認知症に関する正しい知識と理解を持ち、地域や職域で認知症の人や家族に対して

できる範囲での手助けをする人

 

平成17年から『認知症を知り地域をつくる10ヵ年』構想の一環で始まった

認知症サポーターは平成21年で全国で100万人を突破し、平成26年には500万人を超え

現在の認知症サポーター数は10,365,230人(うち、キャラバンメイト数149,766人)

※平成30年6月30日現在

※キャラバンメイトとは認知症サポーター養成講座を受講・修了した医療従事者や介護従事者、民生委員・行政職員等を指し、養成講座の講師、企画開催などを担うボランティアの方をいいます。

<参照>

認知症サポーター養成講座は、都道府県や市町村の認知症対策窓口や、高齢者支援の担当課で開催受付を行っています。

開催にはだいたい10人以上の参加希望者が必要で、集めることができる方であれば

どなたでも受講できます。

受講料は無料で、専用のテキストを使用し、1時間~1時間半くらいで行われます。










しかし、認知症サポーターになったからといって

何かをしなければということはありません。

認知症について正しく理解し、偏見を持たず認知症の方や

ご家族を温かく支援する存在です。

サポーター各自ができる範囲で活動していけばいいのです。

今回は『親に患ってほしくない病気』1位や、『一番なりたくない病気』1位

様々な調査であがってくる認知症について学んでみました。

認知症は誰にでも起こりうる脳の疾患です。

是非認知症サポーターになっていただき、認知症を正しく理解し

自分にできることから取り組んでいただければ幸いです。

認知症の症状・種類についてはこちら

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