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認知症について考えます①


超高齢社会の日本において社会問題になっている認知症の現状を確認していきます。


高齢化問題についてはこちら



認知症とは

まずはじめに認知症は病名ではなく、ある一定の状態のことをいう総称です。

詳しく見ていきましょう! 認知症とは、記憶をしたりモノを認識したり、判断する能力が欠如し社会生活に

支障をきたす状態(6ケ月以上継続している状態)のことをいいます。

ですので一過性のせん妄とは区別する必要があります。


老化によるもの忘れと認知症の違いは?

歳をとるにつれて、人の名前が思い出せなくなるなどの老化によるもの忘れは起こります。しかし、認知症は老化によるもの忘れとは違います。

認知症になると、正常に発達した知的機能が少しずつ悪くなっていき、

日常生活に支障が出てきます。


どのくらいの人が認知症になるのでしょうか?

65歳以上の高齢者で認知症になる人、割合は、年々増加すると推計されています。


※各年齢層の認知症有病率が、2012年以降一定と仮定した場合(19%)

※上記が2012年以降も糖尿病有病率の増加により上昇すると仮定した場合(20.6%)




認知症の症状

認知症の症状には必ずみられる『中核症状』

環境や身体・性格的要因などによる周辺症状『行動・心理症状(BPSD)』があります。




認知症の症状が出てくると

●今日が何日かわからなくなる

●話した内容ではなく、話したことすら覚えていない

●同じことを何度も言ったり、会うたびに同じ内容の話をする

●質問されたことと違うことを答える

●家族と一緒にいると、質問されるたびに家族の方を向く


また、こういった症状が見受けられたら要注意です! <認知症を疑う初期症状>

同じことを何回も言ったり聞いたりする

財布を盗まれたと言う

だらしなくなった

いつも降りる駅なのに乗り過ごした

夜中に急に起き出して騒いだ

置き忘れやしまい忘れが目立つ

計算の間違いが多くなった

物の名前が出てこなくなった

ささいなことで怒りっぽくなった <参照>東京都福祉局「高齢者の生活実態及び健康に関する調査・専門調査報告書」1995より



認知症の種類

認知症になる原因にはさまざまな病気がありますが、主な原因はこちらです。

 

アルツハイマー型認知症

脳の広い範囲に老人斑や神経原線維変化が見られ、ゆっくりと脳神経が死滅していきます。女性に多くみられる認知症で、もの忘れからはじまり、

もの盗られ妄想など広い範囲の障害に進行していきます。


<発症原因>

加齢や遺伝が原因。

近年では糖尿病や高血圧などの方はそうでない方よりもなりやすいことが判明。

<予防>

生活習慣の改善

 

血管性認知症

脳血管障害、いわゆる脳卒中が原因の認知症です。

血管が破れたり詰まった場所により現れる症状が異なります。

男性に多くみられる認知症で、もの忘れのほか、手足のしびれや麻痺、感情コントロールがうまくいかないなどの症状が特徴的です。


<発症原因>

血管障害は生活習慣病が原因で引き起こされる

<予防>

高血圧・高脂血症・糖尿病などにならないことが予防に繋がります。

脳血管障害を早期に治療しリハビリを行うことで、進行を抑えることができます。

 

レビー小体型認知症

脳内にレビー小体という異常なたんぱく質がたまり発症します。 男性にやや多くみられる認知症で、体の動きが緩慢になるパーキンソン病に似た症状で、

歩行障害や体が硬くなり転倒しやすくなる。

認知機能障害のほか、妄想などがみられるのも特徴の一つです。


<発症原因>

レビー小体というたんぱく質が脳に溜まることで起こる脳の萎縮が原因

<予防>

異常なたんぱく質が溜まる原因は解明されていない

 

前頭側頭型認知症(ピック病)

脳の前頭葉と側頭葉という部分が萎縮して、血流が低下することにより

さまざまな症状が引き起こされます。

人格が変化したり、非常識な行動などが目立ちます。

40~50歳代の働き盛りの人がしばしば発症します。


<発症原因>

ピック球という異常構造物が神経細胞に溜まるケースと

TDP-43というたんぱく質が溜まるケースが発見されています。

そのためいくつかの病気に分かれていると考えられています。

<予防>

タウたんぱくやTDP-43、FUSなどのいろいろなたんぱく質が変化して

蓄積する原因は解明されていない

 

その他

アルコールを多量に飲み続けたことで発症するアルコール性認知症などetc.

 


認知症の種類別割合



<参照>


つづいて軽度認知障害(MCI)について⇒

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