身近なようで詳しく知らない『年金』について解説していきます。
いまさら聞けない公的年金とは
公的年金制度は、年老いた時や、万一の時の生活を、従来の子どもによる私的扶養から社会全体(働いている世代みんな)で支えようという考えで作られた仕組みです。※1941年に労働者年金保険法が制定されてから(今でいう2階部分)1961年の国民年金法の全面施行により全ての国民が公的年金制度の対象になりました。
日本国内に住んでいる20歳以上60歳未満すべての方に国民年金への加入が義務付けられています。これを『国民皆年金』といいます。
20歳の誕生月の前月に日本年金機構から送られる『国民年金資格取得届』をお住まいの市(区)役所、またはお近くの年金事務所に提出すると後日『年金手帳』が送付されます。
※年金手帳は保険料納付の確認や、将来年金を受け取る際に必要ですので大切に保管してください。(※注)障害・遺族年金を受給している方(していた方)へは送られません。
それでは国民皆年金となった公的年金の仕組みを見ていきましょう!
上記の図のようによく公的年金は2階建てといわれます。
ただ、誰でも2階建てになっているわけではなく、働き方により加入する年金や保険料がかわります。加入する年金の種類により3種類の被保険者にわかれます。
一般のサラリーマンの方は第2号被保険者ということになりますね!
また、この2階建ての仕組みですが、自助努力で3階建てにすることもできます。
こちらに関してはまた機会があれば詳しく解説していきますが、今回は仕組みをイメージしていただくためにイメージ図だけ載せておきます↓
ここまで公的年金の仕組みについて解説していきましたが、
続いて公的年金の役割について見ていきましょう!
どういうときに役に立つの?
公的年金の役割は
リタイアメント・プランニング(年金受給)
リスクマネジメント(障害年金・遺族年金)
それではまず、全ての国民が加入している国民年金(基礎年金)について見ていきます!
基礎年金は次のような場合に年金を受け取ることが出来ます。
<老齢基礎年金>年をとった時
<障害基礎年金>病気や怪我で障害が残った時
<遺族基礎年金>家族の働き手が亡くなった時
※ただし手続きをせず、保険料が未納のままにするとこれらの年金が受け取れない場合がございます。
年金を受け取れる権利(年金受給権)
これまでは保険料を25年以上払っていないと受け取ることが出来ませんでしたが、2017年8月より資格期間が10年以上(保険料免除期間を含む)に変更となりました。
国民年金の任意加入
国民年金は通常20歳~60歳になるまでの40年間、保険料を全期間支払った時に、65歳から満額の老齢基礎年金が支給されますが、60歳前に未納期間がある場合、減額されたり受給権が取れない場合があります。年金額を満額に近づけたい場合や受給権を獲得したい場合、60歳~65歳までの間任意で被保険者になることが可能。また、受給資格を満たさない場合は70歳まで加入できます。※2018年度の国民年金の保険料は16,340円。1年間任意加入で保険料を納めると年金額が約1,620円/月(約19,480円/年)増える計算となります。また、日本国籍があって日本に住所がない人なども希望すれば市町村に申し出て任意加入できます。
このように、年金は老後生活を支えるために受給権が発生したら終身にわたって支給されるだけでなく、リスクマネジメントの要素もあります。
ねんきん定期便
公的年金の加入記録を加入者本人が確認するため、現役世代の加入者全員に送付される通知書が『ねんきん定期便』です。毎年誕生月に送付されます。
記載内容
・加入期間
・年金見込額
・直近1年分の厚生年金の標準報酬月額および国民年金の保険料納付額
35歳、45歳、59歳の節目には加入履歴と、過去の全ての厚生年金の標準報酬月額、
国民年金の保険料納付状況が併せて記載されます。
こちらが毎年送られてくるねんきん定期便です。
50歳未満
50歳以上
※35歳、45歳、59歳は封書で書類が送られます。
また、保険料の納付状況は、年金事務所に問い合わせるか、日本年金機構のウェブサービス『ねんきんネット』で確認できます。
また、2019年の4月には『ねんきん定期便』の見直しがありました。
今までは少し読みにくく、わかりづらいものでしたが、見直し後は文字数を半減し、図などを用いて私たちに伝えたいことを明確化したそうです。
また、有益な情報、例えば年金受給開始年齢は60歳から70歳まで自由に選択でき、年金受給を遅らせるほど年金額が増えますが、よく知られておりません。
実際に年金受給を65歳開始から繰り下げて支給開始を遅らせている人の割合は1%程度しかいません。
こういった情報を『ねんきん定期便』で案内するそうです。これにより、出来るだけ長く働いて、長生きすればより多く年金を受給できる受け取り方を選択する方も増えることと思います。 ここまで年金制度の概要を解説していきました。公的年金の受給額についてはこちら
Comments